エルメスの香水ラインの中でも人気の高い「庭園のフレグランス」シリーズ。その中の《李氏の庭》は、中国の庭園をイメージした独特の世界観が魅力です。繊細なサンバックジャスミンと酸味のあるキンカン、はじけるようなベルガモットが織りなすフローラルでグリーンな香りは、東洋的な美意識と西洋の調香技術が融合した逸品といえるでしょう。このボディローションは、オードトワレよりも優しく香りを纏えるアイテムとして、日常使いにも最適な選択肢となっています。
モイスチャライジング ボディローションは、2024年6月に発売された「ル バン エルメス」コレクションの一部として登場しました。200mlで12,650円という価格設定ながら、エルメスらしい洗練されたガラス製ボトルと、軽やかなテクスチャーで肌に素早く浸透する使用感が特徴です。この記事では、《李氏の庭》の香りの特徴から、他の庭園シリーズとの違い、購入時の選び方まで、詳しく解説していきます。
| この記事のポイント |
|---|
| ✓ 《李氏の庭》はサンバックジャスミン、キンカン、ベルガモットのフローラル&グリーンな香り |
| ✓ 中国の庭園をイメージした東洋的なコンセプトで瞑想的な雰囲気を表現 |
| ✓ 他の庭園シリーズ（ナイル、シテール、ラグーナなど）との香りの違いを比較 |
| ✓ ボディローションは200mlで12,650円、オードトワレよりも優しく香る |
ポチップ
エルメス モイスチャライジング ボディローション《李氏の庭》の匂いと基本特徴
- 《李氏の庭》の匂いはフローラルでグリーンな香りが特徴
- サンバックジャスミンとキンカンのハーモニーが魅力
- 中国庭園をイメージした東洋的な香りのコンセプト
- ベルガモットの爽やかさが全体を引き締める
- オードトワレとボディローションで香りの楽しみ方が異なる
- 200mlサイズで12,650円の価格設定と購入方法
《李氏の庭》の匂いはフローラルでグリーンな香りが特徴
エルメスの《李氏の庭》モイスチャライジング ボディローションの最大の特徴は、フローラルでグリーンな香りにあります。この香りは、単なる花の香りではなく、緑豊かな庭園の空気感そのものを表現しているのが印象的です。
エルメス公式サイトによれば、この香りは「現実と空想が重なり合う、中国の庭園をイメージ」して作られています。散策と思考が融合する瞑想の場を、花と水、木と岩がちりばめられた空間として香りで再現しているのです。
オードトワレ《李氏の庭》 フローラルでグリーンな香りのオードトワレ《李氏の庭》は、繊細なサンバックジャスミン、酸味のあるキンカン、はじけるようなベルガモットが見事なハーモニーを奏でます。
この香りの構成を理解するには、「フローラル」と「グリーン」という二つの要素を分けて考えるとわかりやすいでしょう。フローラルノートはサンバックジャスミンによるもので、白い花の繊細で上品な香りを提供します。一方、グリーンノートは庭園の葉や茎、青々とした植物の生命力を感じさせる清涼感のある香りです。
一般的に、フローラル系の香水は甘く女性的な印象になりがちですが、《李氏の庭》の場合はグリーンノートがバランスを取ることで、甘すぎず、かといって爽やかすぎない、絶妙な調和を生み出しています。この香りは季節を問わず使いやすく、春夏は爽やかさが際立ち、秋冬は温かみのある花の香りが引き立つという、多面性も魅力といえるでしょう。
さらに、ボディローションという形態であることも香りの印象に影響しています。オードトワレに比べて香りの持続時間は短めですが、その分肌に近い距離でふんわりと香るため、日常使いや仕事の場面でも使いやすい仕上がりになっています。
📊 《李氏の庭》の香りの基本情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 香りのタイプ | フローラル・グリーン |
| 主要な香料 | サンバックジャスミン、キンカン、ベルガモット |
| イメージ | 中国の庭園、瞑想的な空間 |
| 香りの強さ | オードトワレより優しい（ボディローション） |
| 適した季節 | オールシーズン |
サンバックジャスミンとキンカンのハーモニーが魅力
《李氏の庭》の香りの核心となるのが、サンバックジャスミンとキンカンの組み合わせです。この二つの香料の選択は、東洋の香りの世界観を表現する上で非常に重要な役割を果たしています。
サンバックジャスミンは、アラビアジャスミンとも呼ばれる白い花で、通常のジャスミンよりも香りが濃厚で甘美な特徴があります。中国や東南アジアでは古くからお茶の香り付けに使われており、ジャスミン茶の原料としても知られています。その香りは、夜になると強くなる性質があり、エキゾチックで神秘的な印象を与えます。
一方、キンカンは柑橘系の果実で、その酸味のある香りがフレッシュな印象を加えています。キンカンは中国原産の果実で、《李氏の庭》という中国庭園をテーマにした香りにおいて、地理的・文化的な一貫性を持たせる重要な要素となっているのです。
李氏の庭 現実と空想が重なり合う、中国の庭園をイメージ。繊細なサンバックジャスミン、酸味のあるキンカン、はじけるようなベルガモットの香りが特徴です。 散策と思考が融合する瞑想の場を、花と水、木と岩がちりばめられた、フローラルでグリーンな香りで表現しています。
この二つの香料の組み合わせは、単純な足し算ではなく、相乗効果を生み出しています。サンバックジャスミンの甘く濃厚な香りは、そのままでは重たくなりがちですが、キンカンの酸味が加わることで軽やかさが生まれます。逆に、キンカンだけでは単調になりがちな柑橘系の香りが、ジャスミンの複雑さによって深みを増すのです。
おそらく、調香師はこの二つの香料のバランスを慎重に調整し、どちらか一方が突出しないように設計したと考えられます。その結果、フローラルでありながら爽やか、甘美でありながら清涼感があるという、矛盾しているようで調和した香りが完成したのでしょう。
🌸 サンバックジャスミンの特徴
- 通常のジャスミンより濃厚で甘美な香り
- 中国茶（ジャスミン茶）の香り付けに使用
- 夜間に香りが強くなる特性
- エキゾチックで神秘的な印象
🍊 キンカンの特徴
- 柑橘系のフレッシュな酸味
- 中国原産の果実
- 香りに軽やかさとフレッシュさを付与
- 東洋的な文化背景とのつながり
中国庭園をイメージした東洋的な香りのコンセプト
《李氏の庭》の香りを理解する上で欠かせないのが、そのコンセプトとしての中国庭園という背景です。単なる花の香りではなく、空間全体、そこで過ごす時間、そこで感じる精神性までを香りで表現しようとしている点が、このフレグランスの独特な魅力となっています。
中国の伝統的な庭園は、西洋の幾何学的な庭園とは異なり、自然の風景を縮小して再現する「縮景」の思想に基づいています。岩や水、植物を配置して、山水画のような世界観を立体的に表現するのが特徴です。また、庭園内には散策路が巡らされ、歩きながら様々な景色の変化を楽しむ「移歩換景」という考え方も重要な要素となっています。
エルメスの「庭園のフレグランス」シリーズは、まさにこの「移歩換景」の考え方を香りで表現しているといえるでしょう。時間の経過とともに香りが変化し、トップノート、ミドルノート、ラストノートと移り変わっていく様子は、庭園を歩きながら景色が変わっていく体験に似ています。
《李氏の庭》という名称からも、特定の人物（李氏）が所有する庭園という、個人的で親密な空間をイメージさせます。一般的には「推測の域を出ませんが」、李氏という中国系の人名を冠することで、より具体的で物語性のある世界観を構築しているのかもしれません。
📖 中国庭園の主な特徴と《李氏の庭》の香りとの対応
| 中国庭園の要素 | 香りでの表現 | 使用香料 |
|---|---|---|
| 花（フローラル要素） | 白い花の繊細さ | サンバックジャスミン |
| 水（清涼感） | 爽やかな酸味 | キンカン |
| 木・岩（グリーン要素） | 青々とした植物感 | グリーンノート |
| 散策路（動きと変化） | 時間経過による香りの変化 | ベルガモット（トップノート） |
この東洋的なコンセプトは、西洋の香水文化とは異なるアプローチを示しています。一般的に西洋の香水は、華やかさや官能性、個性の主張といった要素が強調されますが、《李氏の庭》は「瞑想的な空間」「散策と思考の融合」といった、より内省的で精神的な側面を重視しているのです。
このコンセプトは、現代の忙しい生活の中で、ひと時の静けさや内面との対話を求める人々に響くものがあるでしょう。香りを纏うことで、都会の喧騒の中でも心の中に小さな庭園を持つような、そんな体験ができるのかもしれません。
ベルガモットの爽やかさが全体を引き締める
《李氏の庭》の香りの三つ目の重要な要素が、ベルガモットの爽やかさです。サンバックジャスミンとキンカンが中核を成すこの香りにおいて、ベルガモットは全体を引き締め、バランスを整える役割を果たしています。
ベルガモットは柑橘系の香料の中でも特に上品で、紅茶のアールグレイの香り付けに使われることでも知られています。その香りは、レモンやオレンジよりも複雑で、わずかにフローラルな要素も含んでいます。この特性が、《李氏の庭》のフローラル・グリーンという香調にマッチしているのです。
エルメス公式サイトの説明では「はじけるようなベルガモット」と表現されていますが、この「はじけるような」という形容は、ベルガモットの持つフレッシュで活き活きとした印象を的確に捉えています。おそらく、香りの最初のトップノートとして現れ、第一印象を爽やかなものにする役割を担っているのでしょう。
🎯 ベルガモットが果たす役割
- トップノートとしての第一印象の形成
- ジャスミンの甘さを和らげる効果
- キンカンの酸味と調和する柑橘系の統一感
- 全体の香りに透明感と軽やかさを付与
- 時間が経過しても香りが重たくならない効果
ベルガモットの配合は、香りの立体感を生み出す上でも重要です。フレグランスは、トップノート（最初の香り）、ミドルノート（中盤の香り）、ラストノート（残り香）という三層構造で構成されることが一般的です。《李氏の庭》の場合、ベルガモットがトップノートで爽やかな第一印象を作り、その後サンバックジャスミンとキンカンのハーモニーがミドルノートとして展開し、最後にグリーンノートが優しく残る、という時間的な変化が生まれていると推測されます。
ボディローションという形態では、オードトワレに比べて香りの持続時間が短いため、この三層構造はより速く展開します。しかし、それゆえに香りの変化を短時間で楽しめるという利点もあるのです。朝塗って、昼頃には優しく消えていくという使い方は、香水が苦手な方や、職場で強い香りを避けたい方にも適しているでしょう。
オードトワレとボディローションで香りの楽しみ方が異なる
《李氏の庭》の香りは、オードトワレとボディローションという二つの形態で提供されており、それぞれ異なる香りの楽しみ方ができるのが特徴です。この違いを理解することで、自分の用途や好みに合った選択ができるでしょう。
オードトワレは香水の一種で、アルコールベースに香料を溶かしたものです。一般的に香料濃度は5～15%程度で、パルファム（香水）よりも軽く、オーデコロンよりも持続時間が長いという特徴があります。《李氏の庭》のオードトワレは、香りをしっかりと楽しみたい方や、香水として使いたい方に適しています。
一方、モイスチャライジング ボディローションは、スキンケア製品としての保湿機能を持ちながら、香りも楽しめるアイテムです。香料濃度はオードトワレよりも低く、肌に近い距離でふんわりと香る程度の強さになっています。
📊 オードトワレとボディローションの比較
| 比較項目 | オードトワレ | ボディローション |
|---|---|---|
| 主な用途 | 香水として使用 | スキンケア＋香り |
| 香りの強さ | 強め | 優しめ |
| 持続時間 | 4～6時間程度 | 2～3時間程度 |
| 使用場所 | 首筋、手首など | 全身 |
| 価格（エルメス公式） | レフィル28,270円 | 200ml 12,650円 |
| おすすめの場面 | 外出時、特別な日 | 日常使い、リラックスタイム |
ボディローションの大きな利点は、広範囲に使えるという点です。オードトワレは通常、首筋や手首、耳の後ろなど、限られた場所に少量を付けますが、ボディローションは全身に塗ることができます。入浴後に全身に塗れば、肌の保湿をしながら全身から優しく香りが立ち上るという、贅沢な体験ができるのです。
また、香りの展開も異なります。オードトワレはアルコールが揮発する際に香りが強く広がりますが、ボディローションは肌温度でゆっくりと香りが広がります。おそらく、ボディローションの方がより自然で柔らかい香り方をするのではないでしょうか。
使い分けの例としては、以下のような方法が考えられます：
- 日常使い：朝のボディケアとしてボディローションを全身に
- 特別な日：オードトワレを首筋や手首に
- 重ね付け：ボディローションで全身を香らせた後、オードトワレを少量追加
- 季節による使い分け：夏はボディローション、冬はオードトワレ
200mlサイズで12,650円の価格設定と購入方法
《李氏の庭》モイスチャライジング ボディローションは、**200mlサイズで12,650円（税込）**という価格設定になっています。この価格は高級ブランドのボディケア製品としては標準的なレンジといえるでしょう。
エルメス公式サイトによれば、《李氏の庭》のボディローションは2024年6月12日に発売されました。これは「ル バン エルメス」という新しいバスラインの一環として登場したもので、エルメスの代表的な8つのフレグランスがボディケアアイテムとして展開されたものです。
《ナイルの庭》《李氏の庭》《シテールの庭》《屋根の上の庭》《ラグーナの庭》の香りは、ヘア＆ボディ シャワージェル（最初の3つにはレフィルあり）とモイスチャライジング ボディローションに使用されています。
購入方法としては、以下の選択肢があります：
🛍️ 《李氏の庭》ボディローションの購入チャネル
- エルメスブティック：全国のエルメス店舗で購入可能
- エルメス オンラインブティック：公式オンラインストアで注文可能
- エルメス・イン・カラー：ビューティ専門のエルメスショップ
- 百貨店：一部の百貨店のエルメスカウンター
- 並行輸入品：Amazon、楽天市場などで割安に購入可能（8,000円～15,000円程度）
価格.comの検索結果を見ると、並行輸入品であれば定価よりも安く購入できる場合があります。ただし、並行輸入品の場合は、保管状態や製造時期に注意が必要です。香りの品質を重視するなら、やはり正規ルートでの購入が推奨されるでしょう。
💰 価格帯の比較（2025年10月時点）
| 購入ルート | 価格帯 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| エルメス正規店 | 12,650円 | 確実な品質、アフターサービス | 定価 |
| 並行輸入（楽天） | 8,000円～14,000円 | 価格が安い場合がある | 品質にばらつきの可能性 |
| 並行輸入（Amazon） | 8,000円～13,000円 | 手軽に購入可能 | 出品者による品質差 |
エルメスの製品は、ガラス製の美しいボトルデザインも魅力の一つです。《李氏の庭》のボディローションも、明るく色鮮やかなフラコンに収められており、バスルームに置いておくだけでも気分が上がるような洗練されたデザインになっています。一般的には、このボトルは繰り返し使えるように設計されており、レフィル（詰め替え用）の発売も予定されているとのことです（発売時期は未定）。
エルメス《李氏の庭》の匂いと他の庭園シリーズの香りを比較
- 《ナイルの庭》はグリーンマンゴーとロータスの豊かな香り
- 《シテールの庭》はウッディな柑橘系で黄金の草原を表現
- 《屋根の上の庭》はフルーティで洋ナシとリンゴが特徴
- 《ラグーナの庭》はフローラルでマグノリアとマドンナリリーの魅力
- 《地中海の庭》はイチジクとセイヨウキョウチクトウの甘美な香り
- ル バン エルメスシリーズ全体のコンセプトと選び方
- まとめ：エルメス モイスチャライジング ボディローション《李氏の庭》の匂いと選び方
《ナイルの庭》はグリーンマンゴーとロータスの豊かな香り
《ナイルの庭》は、エルメスの庭園シリーズの中でも特にグリーンで生命力あふれる香りが特徴です。《李氏の庭》がフローラル・グリーンであるのに対し、《ナイルの庭》はより「グリーン」の要素が強く、熱帯の豊かな自然を感じさせる香りになっています。
エルメス公式サイトによれば、《ナイルの庭》は「エジプトのアスワンにある、庭園のような島での嗅覚の旅をイメージ」して作られています。ナイル川の島という設定は、《李氏の庭》の中国庭園とは全く異なる地理的・文化的背景を持っており、それが香りの違いとして明確に表れているのです。
《ナイルの庭》 豊かなグリーンと木々が香るオードトワレ《ナイルの庭》は、グリーンマンゴーの酸味、繊細なロータス、エレガントなシカモアを組み合わせています。
主要な香料はグリーンマンゴー、ロータス、シカモアです。グリーンマンゴーは、熟す前の青いマンゴーのフレッシュで酸味のある香りで、エキゾチックでありながら爽やかな印象を与えます。ロータス（蓮）は、エジプトで神聖視されてきた花で、清らかで繊細な香りが特徴です。シカモア（イチジクの一種）は、木の香りとして深みと落ち着きを加えています。
🌿 《ナイルの庭》と《李氏の庭》の香りの違い
| 比較項目 | 《李氏の庭》 | 《ナイルの庭》 |
|---|---|---|
| 香りのタイプ | フローラル・グリーン | グリーン・ウッディ |
| 主要香料 | サンバックジャスミン、キンカン、ベルガモット | グリーンマンゴー、ロータス、シカモア |
| 地域イメージ | 中国の庭園 | エジプトのナイル川の島 |
| 印象 | 瞑想的、内省的 | 生命力、陽光、輝き |
| 適した季節 | オールシーズン | 春～夏 |
| 適した場面 | リラックス、夜 | アクティブ、昼 |
《ナイルの庭》のボディローションも、《李氏の庭》と同じく200mlで12,650円の価格設定になっています。また、《ナイルの庭》にはヘア&ボディ ドライオイル（50ml 8,470円）も用意されており、より多様な使い方が可能です。
この二つの香りの選び方としては、**よりフローラルで繊細な香りが好みなら《李氏の庭》、よりグリーンで生き生きとした香りが好みなら《ナイルの庭》**という基準が考えられます。また、《李氏の庭》は東洋的な静けさを、《ナイルの庭》は陽光あふれる活動的な雰囲気を感じさせるという違いもあるでしょう。
個人的には、香りの好みだけでなく、その日の気分や活動内容によって使い分けるのも良いかもしれません。静かに過ごしたい日には《李氏の庭》、アクティブに動きたい日には《ナイルの庭》といった具合です。
《シテールの庭》はウッディな柑橘系で黄金の草原を表現
《シテールの庭》は、庭園シリーズの中でも独特の位置づけにある香りです。《李氏の庭》や《ナイルの庭》が緑豊かな庭園をイメージしているのに対し、《シテールの庭》は**「花の色や木々の緑を持たず、夏の陽光がほぼ一年中降り注ぐ、黄金色に輝く庭園」**という、より抽象的なコンセプトを持っています。
シテール島はギリシャのエーゲ海に浮かぶ島で、ギリシャ神話では愛と美の女神アフロディーテが生まれた場所とされています。エルメスの専属調香師クリスティーヌ・ナジェルが、ギリシャへ初めて旅した際の記憶に思いを馳せて作り上げた「記憶の庭園」なのです。
シテールの庭 エルメスの専属調香師クリスティーヌ・ナジェルがギリシャへ初めて旅した際の記憶に思いを馳せ、描き出した記憶の庭園。花の色や木々の緑を持たず、夏の陽光がほぼ一年中降り注ぐ、黄金色に輝く庭園を表現しています。 包み込むようなイネ科、オリーブツリーの力強さ、フレッシュなピスタチオのやさしさを想起させる香りを組み合わせた、ウォーミーでウッディな柑橘系の香りです。
主要な香料はイネ科の植物、オリーブツリー、ピスタチオです。これらはすべて地中海地域に特徴的な植物で、乾いた土地と強い日差しの下で育つ植物の力強さを感じさせます。《李氏の庭》の繊細な花々とは対照的に、《シテールの庭》は大地に根ざした植物の生命力を表現しているのです。
🏛️ 《シテールの庭》の特徴
- ウッディでシトラスが香る
- 黄金の草原、乾いた大地のイメージ
- オリーブの木の力強さ
- フレッシュなピスタチオのやさしさ
- 地中海の記憶を呼び起こす香り
この香りは、《李氏の庭》と比べると、より「ウッディ」で「ウォーミー」な印象があります。《李氏の庭》のフローラル・グリーンが「水と花」の要素を強く持つのに対し、《シテールの庭》は「大地と木」の要素が強いといえるでしょう。
《シテールの庭》のボディローションも200mlで12,650円、さらにヘア&ボディ ドライオイル（50ml 8,470円）も展開されています。《ナイルの庭》と同様、ドライオイルが用意されているのは、この二つの香りが特に人気が高いことを示唆しているのかもしれません。
《屋根の上の庭》はフルーティで洋ナシとリンゴが特徴
《屋根の上の庭》は、庭園シリーズの中で最も都会的で親しみやすい香りといえるでしょう。パリのフォーブル・サントノーレ通り24番地、エルメスの本店ビルの屋上にある実在の庭園がモチーフになっています。
この香りの最大の特徴は、フルーティでグリーンな香り、特に洋ナシとリンゴという、誰もが馴染みのある果実の香りを中心に構成されている点です。《李氏の庭》のような東洋的なエキゾチシズムや、《シテールの庭》のような地中海の乾いた大地のイメージとは異なり、より日常的で親しみやすい香りになっています。
屋根の上の庭 パリの街の中心、フォーブル・サントノーレ通り24番地に建つエルメスの「屋根の上」にある、自然が広がる庭。喜びと祝福に満ちたこの庭にオマージュを捧げた、フルーティでグリーンの香りが特徴です。
《屋根の上の庭》は「ジューシーな洋ナシのノートとともに、パリの空気にさわやかなリンゴの香りを広げていくかのよう」と表現されています。この説明から、トップノートで洋ナシの甘くジューシーな香りが広がり、その後リンゴのさわやかさが続くという香りの展開が想像できます。
🍐 《屋根の上の庭》と《李氏の庭》の対比
| 要素 | 《李氏の庭》 | 《屋根の上の庭》 |
|---|---|---|
| 場所のコンセプト | 中国の私的な庭園 | パリの屋上庭園 |
| 香りの中心 | 花（サンバックジャスミン） | 果実（洋ナシ、リンゴ） |
| 雰囲気 | 瞑想的、内省的 | 喜びと祝福 |
| 親しみやすさ | エキゾチック | 馴染みやすい |
| 複雑さ | 複雑で多層的 | シンプルで直感的 |
《屋根の上の庭》のボディローションは、フルーティな香りが好きな方や、初めてエルメスの香りを試してみたいという方にも適しているでしょう。《李氏の庭》のような東洋的な香りに抵抗がある方でも、洋ナシとリンゴという馴染みのある香りなら受け入れやすいかもしれません。
また、季節的には春から夏にかけて特に心地よい香りではないでしょうか。フレッシュな果実の香りは、暖かい季節の爽やかさとよく合います。一方、《李氏の庭》はオールシーズン使いやすい香りですが、特に秋から冬にかけて、フローラルな温かみが際立つという違いがあります。
《ラグーナの庭》はフローラルでマグノリアとマドンナリリーの魅力
《ラグーナの庭》は、庭園シリーズの中で最もフローラルな香りといえるでしょう。ヴェネチアの秘密の庭をイメージしたこの香りは、《李氏の庭》と同じくフローラル系ですが、より華やかで豪華な印象を与えます。
ラグーナの庭 千変万化の都市に隠された魅力的な場所・ヴェネチアの、今もなお自然にあふれる秘密の庭を表現。 フローラルでウッディな香りは、光り輝くマグノリア、包み込むようなトベラ、魅惑的なマドンナリリーがベースになっています。
主要な香料はマグノリア、トベラ、マドンナリリーです。マグノリア（木蓮）は大きな白い花で、クリーミーで豊かな香りが特徴。マドンナリリー（白百合）は、純粋さと優雅さを象徴する花で、濃厚で甘い香りを持っています。トベラは、日本や中国原産の植物で、甘く華やかな香りを持つ白い花を咲かせます。
《李氏の庭》のサンバックジャスミンが繊細で東洋的な花の香りであるのに対し、《ラグーナの庭》のマグノリアとマドンナリリーは、より豪華で西洋的な花の香りといえます。どちらもフローラル系ですが、《李氏の庭》が「繊細さ」を、《ラグーナの庭》が「豪華さ」を表現しているという違いがあるのです。
🌸 フローラル系香りの比較：《李氏の庭》vs《ラグーナの庭》
| 比較項目 | 《李氏の庭》 | 《ラグーナの庭》 |
|---|---|---|
| フローラルの種類 | サンバックジャスミン（東洋の花） | マグノリア、マドンナリリー（西洋の花） |
| 香りの印象 | 繊細、控えめ、東洋的 | 豪華、華やか、西洋的 |
| グリーン要素 | キンカン、ベルガモット | トベラ、ウッディノート |
| 適した場面 | 静かな時間、瞑想 | 華やかな場面、社交 |
| パーソナリティ | 内省的、思索的 | 外向的、社交的 |
《ラグーナの庭》は、華やかな場面や特別な日に使いたくなる香りかもしれません。結婚式やパーティーなど、少し華やかさが欲しい場面では《ラグーナの庭》、日常的にリラックスして使いたい場面では《李氏の庭》というように使い分けることもできるでしょう。
ヴェネチアという水の都をイメージしたこの香りは、《李氏の庭》の中国庭園とはまた違った「水と植物」の関係を表現しています。ヴェネチアの運河に囲まれた秘密の庭という設定は、ロマンティックで神秘的なイメージを喚起します。
《地中海の庭》はイチジクとセイヨウキョウチクトウの甘美な香り
《地中海の庭》は、庭園シリーズの中で最も甘美でフルーティな香りが特徴です。《李氏の庭》のフローラル・グリーンや、《屋根の上の庭》のフルーティ・グリーンとは異なり、フルーティ・ウッディという香調を持っています。
エルメス公式サイトによれば、《地中海の庭》は「甘美なイチジクに、グリーンレンティクスと繊細なセイヨウキョウチクトウのノートを組み合わせて」います。イチジクは地中海地域を代表する果実で、その甘く豊かな香りは、太陽の恵みと豊穣を感じさせます。
イチジクの香りは、果実そのものだけでなく、葉や樹液の香りも含まれることが多く、グリーンでミルキーな要素も持っています。この複雑さが、単なるフルーティな香りに留まらない深みを生み出しているのでしょう。セイヨウキョウチクトウ（オレアンダー）は、地中海沿岸に自生する花で、甘く繊細な香りを持っています。
🍃 《地中海の庭》の香りの構造
- トップ：イチジクの葉のグリーンな香り
- ミドル：イチジクの果実の甘美な香り
- ベース：セイヨウキョウチクトウのフローラルな香り、ウッディノート
《地中海の庭》は、《李氏の庭》と比較すると、よりカジュアルで親しみやすい印象があります。《李氏の庭》が瞑想的な静けさを表現しているのに対し、《地中海の庭》は陽光と豊穣、リラックスした休暇の雰囲気を感じさせます。
地中海というテーマは、多くの人にとってバカンスや休暇を連想させるでしょう。青い海、白い建物、陽光あふれる風景という、ポジティブで開放的なイメージです。このため、《地中海の庭》の香りは、気分転換やリフレッシュしたいときに特に適しているかもしれません。
📍 地域イメージによる香りの違い
| 庭園 | 地域 | 気候・風土 | 香りの印象 | 主な香料 |
|---|---|---|---|---|
| 《李氏の庭》 | 中国 | 温暖湿潤 | 繊細、瞑想的 | ジャスミン、キンカン |
| 《ナイルの庭》 | エジプト | 乾燥、熱帯 | 生命力、エキゾチック | マンゴー、ロータス |
| 《地中海の庭》 | 地中海沿岸 | 温暖乾燥 | 甘美、豊穣 | イチジク、キョウチクトウ |
| 《シテールの庭》 | ギリシャ | 乾燥、陽光 | 力強い、黄金色 | オリーブ、ピスタチオ |
ル バン エルメスシリーズ全体のコンセプトと選び方
エルメスの「ル バン エルメス」シリーズは、メゾンを象徴する8つのフレグランスでボディケアタイムに彩りを添えるというコンセプトで2024年に登場しました。このシリーズ全体を理解することで、《李氏の庭》の位置づけや、自分に合った香りの選び方が見えてくるでしょう。
シリーズは大きく二つのコレクションから構成されています：
- 庭園のフレグランスコレクション（5種）
- コロン エルメスコレクション（3種）
香りのラインナップは、豊かな喜びにあふれるフレッシュな〈コロン エルメス〉コレクションから3種、やさしく幻想的な〈庭園のフレグランス〉コレクションから5種と、バランス良く構成されています。
《李氏の庭》は「庭園のフレグランス」コレクションに属しており、他の4つは《ナイルの庭》《シテールの庭》《屋根の上の庭》《ラグーナの庭》です。これら5つは、それぞれ異なる場所の庭園をイメージしており、「香りの散歩道」というコンセプトで統一されています。
一方、「コロン エルメス」コレクションからは、《オードランジュ ヴェルト》《オー ドゥ ルバーブ エカルラット》《オー ドゥ シトロン ノワール》の3種が展開されています。これらは庭園シリーズよりもシンプルで、柑橘系を中心としたフレッシュな香りが特徴です。
🎨 ル バン エルメス：8つの香りの全体像
| コレクション | 香り | タイプ | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 庭園のフレグランス | 《李氏の庭》 | フローラル・グリーン | 中国庭園、瞑想的 |
| 庭園のフレグランス | 《ナイルの庭》 | グリーン・ウッディ | エジプト、生命力 |
| 庭園のフレグランス | 《シテールの庭》 | ウッディ・シトラス | ギリシャ、黄金の草原 |
| 庭園のフレグランス | 《屋根の上の庭》 | フルーティ・グリーン | パリ、洋ナシとリンゴ |
| 庭園のフレグランス | 《ラグーナの庭》 | フローラル・ウッディ | ヴェネチア、マグノリア |
| コロン エルメス | 《オードランジュ ヴェルト》 | スパイシー・シトラス | みずみずしいオレンジ |
| コロン エルメス | 《オー ドゥ ルバーブ エカルラット》 | フルーティ・シトラス | ルバーブ、フレッシュ |
| コロン エルメス | 《オー ドゥ シトロン ノワール》 | ウッディ・シトラス | レモン、ブラックティー |
商品ラインナップとしては、以下のアイテムが展開されています：
- ヘア＆ボディ シャワージェル（200ml 11,000円）
- モイスチャライジング ボディローション（200ml 12,650円）
- ハンド＆ボディ クレンジングジェル（300ml 11,110円）※コロンシリーズのみ
- ヘア＆ボディ ドライオイル（50ml 8,470円）※《ナイルの庭》と《シテールの庭》のみ
- レフィル（発売時期未定）
エルメスは「自然を尊重するエルメスの理念に立ち戻り、ガラス製の容器を採用」しています。これは、プラスチック削減と美しいデザインの両立を図る取り組みといえるでしょう。ガラス製のボトルは、光が差すと表情を変え、バスルームのインテリアとしても楽しめます。
🛁 香りの選び方：4つの基準
1. 香りのタイプで選ぶ
- フローラルが好き → 《李氏の庭》《ラグーナの庭》
- グリーンが好き → 《ナイルの庭》《李氏の庭》
- フルーティが好き → 《屋根の上の庭》《地中海の庭》
- シンプルな柑橘が好き → コロンシリーズ
2. 場所のイメージで選ぶ
- 東洋的な雰囲気 → 《李氏の庭》《ナイルの庭》
- 西洋的な雰囲気 → 《シテールの庭》《ラグーナの庭》
- 都会的な雰囲気 → 《屋根の上の庭》
3. 使用場面で選ぶ
- 日常使い、リラックス → 《李氏の庭》《ナイルの庭》
- 特別な日、華やかな場面 → 《ラグーナの庭》
- アクティブな日、気分転換 → 《屋根の上の庭》《地中海の庭》
4. 季節で選ぶ
- オールシーズン → 《李氏の庭》
- 春～夏 → 《ナイルの庭》《屋根の上の庭》
- 秋～冬 → 《シテールの庭》《ラグーナの庭》
まとめ：エルメス モイスチャライジング ボディローション《李氏の庭》の匂いと魅力
最後に記事のポイントをまとめます。
- 《李氏の庭》はフローラルでグリーンな香りが特徴で、サンバックジャスミン、キンカン、ベルガモットが主な香料である
- 中国の庭園をイメージした東洋的なコンセプトで、瞑想的で内省的な雰囲気を表現している
- サンバックジャスミンの繊細な甘さとキンカンの酸味が絶妙なハーモニーを生み出している
- ベルガモットが全体を引き締め、爽やかさと透明感を加えている
- オードトワレに比べてボディローションは優しく香り、日常使いに適している
- 200mlで12,650円の価格設定で、エルメスブティックやオンラインで購入可能である
- 《ナイルの庭》はグリーンマンゴーとロータスのグリーン・ウッディな香りが特徴である
- 《シテールの庭》は黄金の草原をイメージしたウッディな柑橘系の香りである
- 《屋根の上の庭》は洋ナシとリンゴのフルーティな香りで親しみやすい
- 《ラグーナの庭》はマグノリアとマドンナリリーの華やかなフローラルの香りである
- 《地中海の庭》はイチジクとセイヨウキョウチクトウの甘美でフルーティな香りである
- ル バン エルメスシリーズは庭園のフレグランス5種とコロン エルメス3種から構成される
- ガラス製の美しいボトルデザインで、繰り返し使えるレフィルも予定されている
- 香りの選び方は、タイプ、場所のイメージ、使用場面、季節の4つの基準で考えると良い
- 《李氏の庭》は特にオールシーズン使いやすく、リラックスタイムに最適な香りである
記事作成にあたり参考にさせて頂いたサイト
- エルメス バスライン ＜ル バン エルメス＞ 新発売 – GINZA SIX
- 《シテールの庭》を見る | Hermès – エルメス-公式サイト
- 【エルメス】エレガントな香りと色鮮やかなデザインのボディケアアイテムが登場 | Oggi.jp
- 「エルメス ボディローション」の人気商品一覧 | 安い商品を通販サイトから探す – 価格.com
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